URBANER THOUGHT|残った線のこと。

ヒゲのラインを残して整えるURBANER ONEの思想を描いたモノクロイラスト

ヒゲを整えるとき、いつも少し不思議な気分になる。

整えているはずなのに、剃ったところよりも、残ったところのほうが気になる。

頬を少し整えたあと、鏡から一歩離れて、顎のラインを見る。

もう少し削ったほうがいい気もする。
でも、その「もう少し」をやりすぎると、何かが違う。

ほんの数ミリしか違わないのに、顔全体の印象まで変わって見える。

ヒゲを整えることは、単純に「いらないものをなくす」作業とは、少し違うのかもしれない。

どこまで消すか。

というより、

どこを残すか

そこには、思っている以上に、自分でつくる余地がある。

自分では、どうありたいのか。
そして、社会の中で、どうありたいのか。

鏡の前で決めているのは、ヒゲの境界だけではない。

そのあいだにある、自分なりの距離なのかもしれない。

残すほうには、正解がない。

頬はどこまで落とすのか。
口元は少し細くするのか。
顎のラインをどこへつなげるのか。

誰かが決めた正解があるわけではない。

同じ人でも、その日の髪型や服、気分によって、ちょうどよく見えるラインは少し変わる。

だから鏡の前では、ときどき手が止まる。

消すか。
残すか。

その小さな判断が、自分の顔を少しずつつくっていく。

残したい線の、すぐそばまで。

URBANER ONEを考えるとき、私たちが気になったのも、そんな「境界」のことだった。

頬とヒゲの境目。
口元の細かなライン。
顎へつながる輪郭。

ONEの刃幅は20mm。

数字だけを見ると、ただの仕様に見える。

けれど、この小ささには理由がある。

広い範囲を一気に整えるためではなく、残したいラインのすぐそばまで、自分の手で確かめながら近づくため。

残したいものの、すぐそばまで行くための幅。

大きな刃なら、一度に広い範囲を整えられる。

でも、残したい線の近くでは、その大きさが少し気になることもある。

少しずつ見る。
少しずつ動かす。
必要なところだけに手を入れる。

何を残すかを自分で決めるなら、道具には、その判断を邪魔しない近さが必要だと思った。

道具は、答えを決めない。

どんなヒゲが似合うのか。

どこまで残すのが正しいのか。

それを、道具が決める必要はないと思う。

今日は全部剃ってもいい。
少し残してもいい。
昨日と違っていてもいい。

ONEができるのは、その選択をしやすくするところまで。

最後に残す線くらいは、自分で決めたい。

鏡から少し離れて、もう一度、自分の顔を見る。

剃った場所より、最後に残ったラインを見る。

なくしたものではなく、残したものが、自分の輪郭になる。


 

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